Nucleus - We'll Talk About It Later

Elastic Rock/We'll Talk About It Later  中期以降のソフト・マシーンは明らかにカール・ジェンキンスが中心となってバンドの音を引っ張っていったことで更にジャズ色が強くなったのはこの人のせいとも言える。そして同胞のジョン・マーシャルあたりを引き込むと最早それはイアン・カーのいないニュークリアスに近い存在となっていった。

 しかしソフツにはまだマイク・ラトリッジのカラーが残っており、やはりソフト・マシーンというバンドであり続けた。そして一方のニュークリアスも同じくイアン・カーがいることでニュー・クリアスであり続けた。まぁ、イアン・カーの場合はソロ名義でニュークリアスの4作目とも言える「Belladonna」をリリースしているのだが…。ちなみにこのアルバムのプロデューサーはジョン・ハインズマンでギターを弾いているのはアラン・ホールズワース。しかもテンペストのアルバムリリースと同じ1972年の作品なワケで何となく当時の人脈による仕事ぶりってのが目に浮かぶ。

 さて、そんなニュークリアスだが、自分でも意外なことにあまり聴いていた時期がなかった。ソフト・マシーンは割と聴いているのだがニュークリアスの方はファースト、セカンドくらいまでしか持っていないし、しかもトンと聴いた記憶がない。不思議なモノだ。まぁ、これから聴けるバンドが増えたからいいとしよう(笑)。

 それで、そのセカンドアルバム「We'll Talk About It Later」なんだけど、あれ?この一曲目ってこないだ聴いた…、あぁ、ソフト・マシーンの「Bandles」にも流用されているワケな(笑)、なるほど。こういうのはカンタベリー系に多いよねぇ…。しかし何とも凄いジャズロックなんだろうか。オーボエって凄く特徴的な音でとてもロックには似合わないけどこういうのだと滅茶苦茶目立ってくるし、旋律がしっかりしているのかな、メロディアスでよろしいよね。聴いていると非常にスリリングで盛り上がる(笑)。完全にフリージャズだよなぁ…サックスも然り。よほどテンションをキープできる時でないと聴けないアルバムかも。集中力を要す作品で、それは入ってしまえばOKだけど、そこまでの時間が難しいかな。アルバムはそんなテンションの高さが良い。

 確かオリジナルはヴァーティゴ変形ジャケットだったような…。そうだ、思い出した。レコードを探していたときに全然見つからなくてそのうちに探すことを忘れてたバンドだったんだ(笑)。あぁ、あとギターにクリス・スペディングが在籍しているので結構気になってたんだ…。なんかアクセント的なギター弾く人なんだよね。アマゾンで調べてみるといくつか全盛期のライブ盤がでているみたい。「The Pretty Redhead」とか「Live in Bremen」かな。

Nucleus - Solar Plexus

Solar Plexus / Belladonna ジャズロックの代表格と言えば、自分的にはやっぱりソフト・マシーンかなぁ…。ソフツはホントに不思議なバンドで、バンドメンバーがどんどん入れ替わっていくのに何故かソフツっていう音が存在しているんだよな。そんなソフツの中期から後期にかけて活躍していたのが元ニュークリアスの面々というのはもちろん有名なお話でして…、うん、ソフツには進まないでニュー・クリアスの音の方に進もう…。

 1971年リリースの三枚目のアルバム「Solar Plexus」ってトコで。何故かマトモにCD再発されてないのかどうかわからないけど2in1のCDしか見当たらないんだが、まぁ、オイシイと思ってコレでいいじゃないかと判断するしかないか。特筆すべきジャケットでもない…というか多分音楽性に価値を置きすぎているのかもしれないが、やっぱりキチンと出してもらいたいよね。

 そんなニュー・クリアスのこの頃はもうリーダー格のイアン・カーの独裁政治みたいになっていたのか、クレジットでも「Ian Carr with Nucleus 」ってなってるから、単なるバックバンド化してしまったのだろう。そんな風に独裁政治が出来る人ってよほど才能があったんだろうね。だってさ、面々としちゃあ後期ソフツのメンツがほぼ全員揃ってるんだしさ、テクニックだってセンスだって十分に持ってるし革新的ですらあるし。それでもイアン・カーは自分のやりたいようなバンドとしてこの「Solar Plexus」を制作したみたい。なんともまぁ、ゲスト陣がBob Downes Open Musicなんかと結構ダブるのですよ。クリス・スペディングとかハリー・ベケットとかさ。そしてニュー・クリアスの場合は多分どのアルバムを聴いても淡々とした冷酷なまでの英国ジャズロックが熱く聴けるので、それほど神経質にならなくても良さそう。セカンド「We'll Talk About It Later」がバンドとしては一番良い気がするけど、この「Solar Plexus」やその後の「 Belladonna」ももちろんかなりよろしい。ただ、メンバーの心情からしてみるとセカンド「We'll Talk About It Later」までがバンドで、その後はバックの演奏者という位置付けになっちゃうのかな、と。ま、作品として聴くには全然良いけど、やっぱね、そういうのもあって音は出てくるワケだし。

 しかし、なんつうのか…、変拍子や大作、そして軽やかな旋律、仰々しいブラス隊にボンゴやパーカッション、更にギターが入ってくるという正しくテクニシャンによるロックミュージシャンによるジャズへのアプローチというに相応しい世界。楽器好きな人は割とイケるとは思うけど、普通にリスナーしてる人はちょいとキツイかもしれない。じっくりと聞き込む音なのでハマり込む人は楽しい。  あ、これもVertigoレーベル(6360 039)です。ジャケットがそのものみたいに見えるでしょ(笑)?